団塊ジュニア世代でビジネスモデルが一変する

団塊ジュニア世代が45才を迎え、2040年には65才を迎える。現時点での利用者は、85才以上となっていく。重度者が増えて、介護事業も重度者対応が必須となる。医療との連携も同様だ。

介護サービスの利用者層の世代交代が今後20年で進む。

今の利用者の中心は団塊の世代である。2017年の総人口は633万人。これに対して団塊ジュニア世代は795万人とされる。

団塊の世代と団塊ジュニア世代は真逆の状況にある。

団塊の世代の多くは定年まで勤め上げて、十分な退職金を手にした裕福な者が多い。

年金も、最低限の生活を営む程度は支給されている。

団塊ジュニア世代は、就職の超氷河期、ロスジェネと言われて非正規雇用の者が多い。

そのため定収入や生活が安定しないなどの理由から、未婚者や子供のいない世帯が多くなっている。

このことは、人口ピラミッドを見ても、団塊の世代の子供の世代が団塊ジュニア世代であるに対して、団塊ジュニア世代の子供の世代としての膨らみがないことから明らかだ。

雇用が安定しない状況で壮年期を迎え、これから高年期に入る。

ということは、今後の雇用状況が一層に深刻化することを意味する。日本の雇用事情では40才を超えると非正規雇用であっても雇用環境は悪化の一途だからだ。今後は年金も掛けることが出来ず、健康保険の支払も出来ない者が増加するだろう。

高年期になっても、子供がいないし、年金も掛けていないので貰えない者が多い。言い換えると、生活保護予備軍が急増する。

これが2040年問題の本質であることは以前にも書いた。

その対策として国は、団塊ジュニア世代の雇用対策として600億円の予算を計上したのだが、機を逸した感が強い。

仮に政策が功を奏して団塊ジュニア世代の生活環境が改善されたとしても、出産適齢期を既に過ぎているために、人口の増加には寄与しない。

これによって、日本の労働人口は減少の一途をたどることが確定した。日本人がいなくなっていく。

この辺りは、ノンフィクション作家の中村敦彦先生の著書や発言に表されていることだ。先入観に囚われず、一読をお勧めする。

団塊ジュニア世代の分析は、日本総研の報告書が参考となる。
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/…/jrireview/pdf/11093.pdf

これらのことを介護マーケットで考えた場合、2040年以降の利用者層は、今の利用者と同じく考える事ができない。生活保護者が多く、介護サービスの利用者負担に耐えられない者が確実に多く存在する時代となる。

年金を掛けていないということは、介護保険料を払っていない事から、介護保険サービスは利用出来ないことを意味する。

それ以前の問題として、国民皆保険制度が崩壊している可能性が高く、年金の支給年齢も75才となっている可能性が高いのだが。

この時点で介護保険サービスや保険外サービスは、一定上の所得や蓄えを持つ階層に限定せざるを得なくなるだろう。介護保険自体も大きく縮小している可能性が高い。

しかし、それは20年後の世界の話、今の経営には関係の無い事だ。
はたしてそうだろうか。

いまでこそ、利用者の中心である団塊の世代は、自分の年金や退職金をベースに自助で何とか、やり繰りして介護サービスを利用出来る。

しかし、その資産が尽きたとき、その親を支える世代が団塊ジュニア世代だのだ。その団塊ジュニア世代の資力が乏しい。最悪の場合、親に頼っているとしたら、、団塊の世代は次第に自助が出来なくなることを意味する。

お分かりだろうか、介護事業に於ける2040年問題は、先行して迫ってくるのだ。

さらに団塊ジュニア世代の後の世代は、人口が減少の一途である。それは、学校や塾、アパレルや音楽産業の衰退にクッキリと現れていることだ。

この人口減少の影響の直撃を最初に受けるのは、障害福祉業界である。

実際に、平成24年に新設された放課後等デイサービスは短期間で飽和状態を迎えた。

今のブームである障害者グループホームも、今でこそ団塊ジュニア世代が新規利用者の中心であることから伸びているが、今後は対象者層は減少の一途となる。

ただし、入居期間が長いので、一旦満室になれば、その施設の経営は安定するが、新規オープンは次第に厳しさを増していくだろう。

これからのビジネスモデルは、これらのことを念頭に準備を進める必要がある。

だからといって、先に進まないのは愚の骨頂である。現状維持を望むなら経営者は辞めた方が良い。

介護業界に未来が無いのでない。このままでは、日本全体に未来が無いのだ。介護マーケット、シルバーマーケットは唯一と言って言い成長&安定成長マーケットである。ただし、介護保険制度はその一部に過ぎず、縮小の一途である。介護保険制度だけに頼る事は出来ない。そのことに気づいて欲しい。

今の大波もいつかは浜辺に辿り着いて波では無くなる。大波に乗った時点から次の大波を予測して、乗り移りの準備を進めなくてはならない。それが経営者や幹部職員の仕事である。

そんなこんなを含めて、早期に研究会などをスタート出来れば良いなと思う。

 

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