なんちゃって経営者からの脱却

なんちゃって経営者からの脱却

経営と運営は何がちがいますか?Google のネット辞書では、経営は、事業を営むこと。 規模を定め工夫をこらして物事を行うこと。運営は、組織・機構などを働かせること。と出てきます。

事業とは、生産・営利を目的として経営する仕事。企業または実業。とされています。

簡単に言うと、経営とは利益を最大限に得るために、知恵を絞って計画を立てて実行すること。運営は、職員の勤務シフトや送迎、サービスが予定通り完了するための管理だと言えます。もしくは、計画を実現するためのプロセスを実行することです。

では、戦略と戦術は何がちがいますか?

戦略は戦争の総合的な準備・計画・運用の方策。
戦術は戦闘を行う上の方策。転じて、ある目標を達するための方策。と出てきます。

戦略は、利益を最大限に得るために、知恵を絞って計画を立てること戦術は、その計画を実現するためのアクションプランを言います。

よって、経営者の仕事は、計画をたてること。管理者の仕事は、計画を実現するために実行することです。しかし、現実は多くの「なんちゃって経営者」は計画を立てることをせずに、職員の勤務シフトや送迎、サービスが予定通り完了するための管理である運営だけを行っているのが実態です。それは経営者の仕事では無く、管理者の仕事です。

経営は戦争です。経営者は常の虎の背中に乗っています。一瞬でも気を抜いたら、虎から転げ落ちて食い殺されてしまいます。だから、常に頭をフル回転させて戦争に負けないように(虎から落ちないように)知恵を絞り続けないといけません。その点、管理者や職員は気楽です。TOPが虎から落ちても、他に移ればいいのです。経営者は常に孤独です。

経営は押し相撲と同じです。競合相手と常に押し合っていないといけません。力を抜いたり、スタミナで負けると土俵の外に押し出されて負けてしまします。

介護の運営基準にケアマネジメントプロセスがあります。アセスメント〜プランニング〜カンファレンス〜モニタリング〜見直し・改善です。介護サービスは職員レベルで、このプロセスの実践が義務づけられています。経営者は、自分の経営環境をアセスメントし、それを踏まえた経営計画を作り、職員に趣致するための会議を開き、定期的に計画の推進状況を確認する会議を開き、場合によって修正や見直しを行っていますか?

これ、職員が日常的に行っている事です。

しかし、多くの経営者はやっていません。社会福祉法人は義務的に経営計画を作りますが、その殆どは前期のコピーレベルであって、意味をなしません。多くの場合、ゴミです。

多くの経営者は、アセスメントもせず、介護計画を作らず、職員と情報共有もせず、進行状況の確認も、見直しもせずに介護サービスを提供すると同じ事を、自らの経営でやっていることに気づくべきです。

いや、経営計画は作っています。という方も多いでしょう。その計画は誰が作りましたか?会計事務所に言われて、仕方なく、会計事務所に作ってもらったという計画は、ただの数字の羅列に過ぎません。殆ど役に立たない。

経営計画で重要なのは、数字では無く、具体的なアクションプランです。

経営計画の策定は、職員を育てる場としても重要です。職員レベルで、部署毎のボトムアップの計画を作らせます。それを実現するためのアクションプランも考えさせます。計画を作るためには、現状の分析と問題点の把握が必須です。この作業は、職員に知恵を絞らせる訓練として重要です。

経緯者は、自らの状況分析と、今後の経営環境の予想に対応したトップダウンの計画を作り、具体的なアクションプランを纏めます。

経営者と職員が参加する経営計画検討会議で、トップダウンとボトムアップの計画を付き合わせ、最終計画に纏めます。参加する職員は各部署の責任者です。最終的には、トップダウンの計画に落ち着くことが多いですが、これまでのプロセスが重要です。さらに、職員が計画策定に直接に関わっているということも重要です。そこに責任が生じるからです。上からの押しつけだけでは、不満しか起きません。

このプロセスを経て最終的な経営計画が出来たら、3月に一度のペースで、計画の進行を確認する会議を設けます。ココで、進捗状況を確認して計画の見直しを含めて検討します。

これが経営者の仕事の一部です。この仕組みが根付いた会社は強くなり、発展します。仮に事業上の失敗があっても、すぐにリカバリが可能です。どんぶり勘定の経験・勘・度胸の経営からの脱却が急務です。

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