介護はサービス業である

介護はサービス業である

介護はサービス業というと認識が必要である。介護は施しでは無い。利用者はお金を払って介護施設や介護事業所が提供するサービスを買っている。すなわち、利用者はお客様なのである。この認識が重要であるし、職員に理解させる必要がある。

利用者は、介護保険料を払っている。そして要介護状態になったとき、保険事故として介護保険を利用して介護サービスを受ける。これは、生命保険の入院給付や交通事故を起こしたときの自動車保険同様に保険事故なのだ。利用者は当然の権利として介護保険を利用出来る。

訪問介護で入浴介助では通常は身体2を適用して、利用者は約400円程度を支払っている。これは、介護保険で3600円が給付されるから一割の400円で済むのであって、実際は4000円を事業所に支払っている。それが、職員1人1人の給与となっているのだ。

日頃から職員は、利用者からお金を頂いてサービスを提供させて頂いていることを認識しているだろうか。ここで注意すべきは、「サービスを提供させて頂いている」」ことだ。ボランティアや施しで、介護をしてあげているのではない。

そもそも、職員は自分が今、提供しているサービスに利用者がいくら払っているか知っているのだろうか。知らないから、利用者への不満が出るのだろう。

この部分の理解が薄いと、利用者にため口で話したり、ちゃん付けで呼んだりする。それがエスカレートすると、暴言や暴力に繋がっていく。例えば、レストランに行ったとき、店員からため口で話しかけられたり、ちゃん付けで呼ばれたら、どう感じるだろうか。ましてや、暴言や暴力を振るわれたら。

ハッキリ言えば、職員の育成と教育は経営者の義務である。しかし、人材不足と多忙を理由として、その部分を怠ってきたツケが表面化して来ている。

特に人の育成は、介護業界に限らず中小零細にとっては不得手な分野である。と言うことは、その部分に力を注ぐだけでも、他の事業所との差別化に繋がるし、それを行う事で利用者への職員暴力などのリスクを大きく減らす事が出来ることを認識すべきだ。

ホスピタリティ、お持てなしという言葉が話題となって久しい。

例えば、お辞儀一つをとっても、いくつかの方法がある。その中でも最低限で身に付けるべきは、三息の礼である。

お辞儀をしながら息を吸い、45度の角度で身体を止めて間を取り息を吐く。そして、息を吸いながらゆっくりと身体を起こす。これは、基本中の基本である。息を吸いながら、ゆっくりと身体を倒すことで、背筋が伸びて綺麗な形でお辞儀が出来る。

この呼吸法を実践すると、心も安定して落ち着つくことが出来る。対人能力の向上にも繋がる。

相手の目を見て話す。お茶出しは、身体を屈めるのでは無く、膝をついてお茶を出す。名刺の出し方と受け方。上座と下座。ハッキリ話す発声法。クレーム処理の仕方等など

このように、一般企業で普通に行っている接遇訓練を、一体、どれだけの介護施設で実施し、実践しているのか。。多くの場合、やっていない。それは施設に入れば分かる。

やっていても、形だけでは駄目だ。経営者や幹部職員自らが率先して実行しないと根付かない。出来ない職員には、すぐに注意する。それが出来ないと、ただの時間と金の無駄にすぎない。

 

多くの介護施設の研修は、実績有りきで結果が出ないのは、上の人間が理解していないことに尽きる。

しっかりとした接遇訓練を行い、実践する施設は、訪問しても気持ちが良い。逆にこちらが恐縮する。そのような施設は、営業に行っても好評価で結果も伴うのだ。

人としてあるべき姿を、今一度考えて見る必要があるということだ。

利用者が増えない、紹介が来ない。営業で結果がでない。多くの場合、その原因は自分たちにある。同時に、解決策も明らかだ。やるかやらないかである。

私が長年、会計事務所に居たことはご存じの方も多いだろう。では、会計事務所で何をやっていたのか。もちろん会計事務所としての税務処理や毎月のように税務調査の立会を行ってきた。これが、今の実地指導支援に繋がっている。

それと同時に、併設の経営コンサルタント会社の役員として、一般的な経営コンサルティングとともに、顧問先企業の新入職員研修、接遇訓練、幹部職員講座、経営計画策定と会議指導。起業支援から倒産会社の債権者会議同席などを直接担当してきた。

その後、別の士業会社でも役員として、人材派遣、有料職業紹介所などを運営すると共に、訪問介護、障害福祉事業所を立ち上げて運営し(ここでは荒井信雄先生に大変お世話になった。)、介護施設の介護報酬、障害福祉報酬の請求事務代行も立ち上げてきた。

介護老人保健施設の経営支援は長期にわたって担当させて頂いた。療養病床から転換老健への転換支援も担当した。それらの積み重ねが、今に繋がっている。

という、自分のルーツを最近になって思いだした(笑)

自分も忙しさを理由として、自らの活動を制限して来た。今年は、これまで自ら封印してきたノウハウも提供していきたいと思う。

それ以上に、この3年間は厄年で新しい事を控えていた。その厄もやっと抜けた。

いろいろな部分を詰め込んだ研究会。多くの方から賛同や参加希望を頂いています。その運営でまだ迷いがある。小規模でとりあえず始めるか。最初からある程度の規模で始めるか。どこでやるか。誰とやるか。

もう少し、考えを纏める時間をください。。

© 小濱介護経営事務所 2020