派遣社員に頼らざるを得ない

介護業界は雇用する職員が集まらずに、派遣社員に頼らざるを得ないのが現状だ。

しかし、派遣社員で人員基準を満たせると言うことは、人が居ないわけではない。また、介護の仕事を選ぶと言うことは、介護の仕事が嫌いな訳ではない。雇用されることを嫌う者が増えたと解釈すべきだ。それはどういうことか。

なぜ、派遣を選ぶのか? 給与だけが問題では無いようだ。時給が高くても賞与が無い事も多く、処遇改善加算手当の対象外だ。トータルでは余り変わらない。

派遣のメリットは、サービス残業がない。契約の時間に定時で帰れる。プライベート時間を確保出来る。人間関係で悩んだら職場を簡単にチェンジできる。契約は三月更新で辞めやすい。と言ったところか。

逆にデメリットは、派遣は最長三年で終了。ボーナスが無い。退職金が無い。将来が見通せない。などであろう。

すなわち仕事への価値観が変わってきたと言うことだ。付き合い残業や職場優先主義への反旗である。経営陣の考えも変える必要がある。

派遣社員と同じ環境で働けるのであれば、人は雇用されることを選ぶのではないか。その場合、人件費は大きく削減される。

時代と共に、人の価値観も変わりつつあるのだろう。何でもブラック、ブラックとつるし上げる風潮も問題だ。すでに体育会系の考え方は批判の対象でしか無い。

ならばどうするか。

政府は団塊ジュニア世代の雇用対策に600億円の予算を閣議決定した。この世代は、定職につく者が少なくて派遣などで凌いできた世代だ。

その世代が45才を向かえて、年齢もあって派遣先も見つからず、社員としての雇用も期待出来ない問題に直面している。それは本人が悪いわけでは無い。

バブルが崩壊した直後に就職期を向かえて、就職氷河期、ロスジェネ世代と言われる不遇な時代に直面したことが大きい原因だ。


国内全体を見ても、終身雇用制が崩壊し、欧米並みの能力主義に移行する時期と重なる。同時に、生活が安定しないことから、結婚もせず、子供も居ない者が多いのが特徴だ。

将来は生活保護に頼らざるを得ないだろう。これが団塊ジュニア世代が65才を迎える2040年問題の本質でもある。

この事実をどう捉えるのか。 

   

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