介護サービスは利用者にとって家族です

高齢者の日常生活を維持するために行っている介護サービス。その介護サービスの利用によって利用者が感染し、亡くなってしまう恐怖感は無限大です。

また、職員自信が感染する可能性もあり、大切な家族にうつしたくない、訪問サービスを担当したくないという気持ちも当然です。

経営者は事業が存続出来なくなる恐怖とも戦っているでしょう。事業が存続が出来なくなると、自分の財を失い、大きな借金を背負う。

まず最重要に考えるべきは、身近な家族と、生活の維持の場である職場を守ることです。それは紛れもない事実。

大切な家族にうつしたくない、訪問サービスを担当したくない。でも、国民の大部分はその不安と毎日戦いながら、満員の電車やバスで通勤しています。人と会い、接客し、会食もしています。

職場が潰れたら、別の職場に転職すれば良い。今は確かに可能でしょう。介護人材は極端な不足に喘いでいますので就職先には困らない。

しかし、今の株価の推移や海外の情勢を見ると、単純にあと数週間で終息することなどあり得ないことです。この状況があと一月も続いたら、経営体力のない小規模零細会社から消滅するでしょう。

日に日に現実味を増しているオリンピック中止が決まったら、日本は、最悪の経済状況になります。解雇されて職を求める人が街角に溢れる。今すでに、新卒者の内定が取り消される事態が起こってきました。

今日、ドイツ銀行が破綻し、イタリアも財政破綻の直前にある。アメリカは鎖国状態になりつつある。この先にあるものは、、

仮に今後、世界的な大不況に突入したとして、国の制度下にある介護や福祉は非常に有利な事業となります。その有利な事業を手放したり、業界から離れる選択は、今はすべきではない。

考えすぎだと思われた方も多いでしょう。でも、それは、利用者が感染する、職員自信が感染する、大切な家族にうつすと同じ考えでは無いでしょうか。

起こりえるんです。でも、今は起こっていないのです。

経営のリスク管理は常に最悪の状況を想定して置く必要があります。それは仮に、その状況になったときには頭もパニック状態になって適切な判断が出来ないからです。だから日常から準備をしておく。

何度も言っていますが、今のうちに可能な制度融資を受けて資金の確保をしてください。すぐに顧問の会計事務所に相談してください。

休業になった時を想定して、社会保険労務士と職員の処遇と会社の対応を検討してください。助成金や補助金など、返済の必要の無い資金は積極的に確保しましょう。

このような時にこそ身近な専門家を有効に使うべきです。相談しても的確な対応が出来ない専門家はこの先も頼りになりません。すぐに別の専門家に変えましょう。

同様に、全国各地に多数ある協会、協議会の類も存在意義が問われています。今、沈黙を決め込むところが大部分でしょう。そこの理事たちは何をやっていますか?どのような情報が迅速に提供されていますか?

そこに参加する意義があるかどうかを、今正に見極めるときです。ただ参加しているだけの集まりを「烏合の衆」といいます。

そして一番考えて頂きたいことは、介護サービスは利用者の日常生活に不可欠だと言うことです。特に独居の利用者は、介護サービスが唯一のライフラインであり、社会参加の場になっている。

すなわち、介護サービスは利用者にとって生活の場であり、日常生活の一部だと言うこと。

別の言い方をすれば、介護サービスは利用者にとって家族です。家族だから、普段から自分の素を出すし、ワガママも言います。他人と思っていたら外面で接しますので。

介護サービス側から休業する、職員を訪問させない、従来通りのサービスを提供出来ないと通告された利用者はどう思うでしょう。

家族から見放されたと思うのでは無いでしょうか。

日頃から、手厚いサービス、利用者の身になって、利用者第一などを謳った経営理念を掲げる介護サービスが殆どです。

それがただの飾り、営業トークなのか、真実なのか、これから問われるのではないでしょうか。

今回のコロナ問題は、すべての介護サービスにとっての踏み絵となります。


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